未来のミライの原作や内容をネタバレ!なぜミライが来たのか理由も考察してみた
2006年に公開された「時をかける少女」にはじまり、「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」など、ヒット作を送り出している細田守監督。
その細田守監督の最新作が2018年7月に公開されます!
タイトルは「未来のミライ」。
何々??って感じですが(笑)、この作品も「家族」をテーマにした作品になっています。
妹の「ミライ」が「未来」からやってくるというある意味斬新なストーリーですが、なぜ妹・ミライは未来からやってきたのか、、、気になるそのストーリーを原作ネタバレしていきます!
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映画「未来のミライ」のあらすじ
いぬやしきのラストでお父さんは生きてる?最終回の終わり方をネタバレ
まずは、「未来のミライ」のあらすじを紹介しますね。
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊のくんちゃん(4歳)に生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。
そんな時、くんちゃんが出会ったのは、
未来からやってきた妹、ミライちゃんでした。
このちょっと変わったきょうだいが織りなす物語。
それは、誰も観たことのない、
小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした―
(引用元:https://animeanime.jp/article/2017/12/13/36244.html)
映画「未来のミライ」の原作は?
「未来のミライ」は細田守監督によるオリジナルストーリーです。
細田守監督によると、この映画は「4歳の男の子に妹が出来て、その妹に両親の愛を奪われたお兄ちゃんが、愛を求めてさすらい旅立つ物語」だそうです。
ここから、兄のくんちゃんは相当な甘えん坊さんだってことが伝わってきますね!
お兄ちゃんぽくないところがまた可愛いです(笑)。
この作品を作ろうと思ったきっかけは、
4歳の男の子の目線を通じて、僕らが今生きている世の中を新鮮な気持ちでもう一回見返したい
(引用元:https://animeanime.jp/article/2017/12/13/36244.html)
なんですって。
4歳の男の子の視点って私には想像できませんが、純粋無垢な子どもだからこそ思いもよらない視点が描かれているのではと期待してしまいます。
細田守監督自身も5歳の男の子と2歳の女の子のパパであることから、きっとその辺りからもヒントを得られているんじゃないかと思います。
実際に、くんちゃんが4歳の男の子なのは、この作品の着想を得た時、息子さんが4歳だったからだそうですよ。
なぜ妹ミライは未来から来たのか?
4歳のくんちゃんの元に、突然やってきた中学生のミライちゃん。
細田守監督によると、喜怒哀楽の激しい甘えん坊のくんちゃんに対して、ミライちゃんはドSなんですって。
甘えん坊&ドSの組み合わせで何かが起こらないわけないですね(笑)。
さて、ミライちゃんはなぜ未来からやってきたのでしょうか。
単純に考えると・・・
甘えん坊すぎるお兄ちゃんに両親の愛情を分からせ自立させるためにしつけに来た!と考えられるのですが、ここから原作ネタバレしていきます!
※ネタバレしたくない人は注意してください!
ミライちゃんが生まれる前
総合出版社に務めるお母さんは真面目で責任感が強い完璧主義者。
建築事務所に務める(後に独立)お父さんは芸術家肌のマイペース。
正確は対象的な2人で、よく衝突もしていましたが、性格を超えた相性があったのでしょう、別れることなく2人で暮らしていました。
そんなお母さんがある日、犬を飼いたいと言い、やってきたのがミニチュアダックスフンド。
名前は「ゆっこ」。
2人はその子犬をこよなく愛しました。
そして月日は経ち、2人が結婚して6年めにくんちゃんが生まれたのです。
お父さんとお母さんはくんちゃんが大きくなった時のことを考え、家を建て替えることにしました。
お父さんが設計し、出来上がったのが小さな中庭に小さな樫の木が生えた今の家。
くんちゃんは3歳になっていました。
ミライちゃんが生まれる
お母さんのお腹に芽生えた小さな命が誕生しました。
ある雪の日、ミライちゃんはくんちゃんの家にやってきたのです。
籐で編んだベビーラックの中で眠るミライちゃん。
くんちゃんにとっては不思議な存在。
初めて「いもうと」という言葉を聞くのです。
そして、お母さんから「これから仲良くしてね。何かあったら、守ってあげてね」と言われますが、まだこの存在に実感がわかないようです。
くんちゃんとミライちゃん
いつもうつ伏せでお尻を突き出して眠るくんちゃん。
その様子がおかしい(笑)。
くんちゃんが起きると、既にお父さんは起きていて朝ごはんの準備を。
お母さんはミライちゃんにおっぱいをあげています。
その様子を見たくんちゃんは、今までお母さんがご飯を用意していたのに何で?と怪訝顔。
そして今までくんちゃんの面倒を見てくれていたお母さんはミライちゃんに付きっきりで、くんちゃんの面倒はお父さんが見てくれようとするのです。
くんちゃんはそれが気に入らないようです。
ある日のことでした。
くんちゃんはミライちゃんに色々話しかけていると、横からお母さんが口を挟んできました。
それにムッとしたのか、くんちゃんは自分の大好きな鉄道をミライちゃんの周りに並べ始め、そして、鉄道カードを足の指にはさみ始めるのです。
お兄ちゃん、ちょっとひどい・・・
それを見つけたお母さんが、ミライちゃんを抱き寄せ、そして職場復帰することにしたお母さんの代わりに主夫業をすることになったお父さんの授乳指導に入りました。
その間、くんちゃんはほっとかれてしまいます。
そんなくんちゃんは「今は幸せじゃない」って思ってしまうのです。
そして・・・!
くんちゃんは、お母さんがお父さんに色々指導しているスキを見て、ミライちゃんに近づき、ミライちゃんの両耳を引っ張ったりほっぺをひっぱたり、鼻を押したり・・・。
さすがにミライちゃんも我慢しきれなくなり、大きな声で泣き出すと、急いでやってきたお母さんに見つかり、お母さんに咎められると、何と、ドクターイエローの車両をミライちゃんに向かって大きく振り下ろしたのです!!!
ひどい!!!
それを見たお母さんに更に怒られると、くんちゃんも手足をバタバタさせながら大泣き状態!
くんちゃんはミライちゃんとは仲良く出来ないようです。
愛を奪われた男・王子の登場
涙がおさまらず中庭に向かったくんちゃん。
くんちゃんはミライちゃんが好きくないようです。
そんなくんちゃんの前に、中年の男の声が聞こえてきました。
振り返ってみると、そこはいつもの中庭ではなくて、全く別の光景に置き換わっていたのです。
廃墟と化したゴシック様式の古い教会の跡地でした。
そして、ベンチに足を組んで座る男がいたのです。
その男がくんちゃんに向かって、
「今のあたなたの気持ちを当ててみましょうか。ズバリ、嫉妬です」
と言いました。
くんちゃんには嫉妬という言葉が難しかったようですが、今までお父さんやお母さんの愛情を独占していたのに、突然現れたミライちゃんに二人の愛を奪われてしまった、だから怒られると分かっていても、ミライちゃんに手を出してしまっていたのですね。
そして、その男は、自分のことをくんちゃんが生まれる前の王子様と言いました。
この王子様も、昔はお父さんとお母さんに愛情を注がれていましたが、くんちゃんがこの家にやってきてから、その愛が奪われてしまったのです。
そして、愛を奪われることがどんなに悔しく、惨めで辛いことか、王子は知っていたのでした。
今のくんちゃんと立場が同じですね。
そして、この王子様、一体誰なのでしょうか。
そうです、「ゆっこ」だったのです。
その男のお尻には見覚えのある羽根ぼうきみたいな尻尾が生えていました。
その尻尾をおもむろに引っこ抜いたくんちゃんは、自分のお尻につけて遊び始めました。
さっきまであんなに泣いていたのに。
その辺りは無邪気なようです。
その後も、ミライちゃんが主役の生活は変わりません。
お母さんも外に働きに出だし、お父さんが変わって家事をするようになりました。
お母さんがいい!とダダをこねてもくんちゃんの幼稚園のお迎えもお父さんです。
そんなある日、お父さんも仕事に集中していて、くんちゃんをかまってくれません。
くんちゃんは業を煮やし、その矛先をミライちゃんへ向けました。
くんちゃんはミライちゃんの顔にお菓子(おっとっと)を並べ始めたのです。
するとミライちゃんは苦しそうにして・・・
未来のミライちゃん登場!
すっきりしたのか、鼻歌を歌いながら中庭へ向かったくんちゃん。
するとそこは、再びいつもの中庭ではなく、「熱帯の庭」になっていました。
そして、さっきミライちゃんの顔につけたお菓子が転々と並べられています。
それをたどっていくと・・・
紺のセーラー服に赤いスカーフを結び、鼻と唇の間にクジラ形のおかしを挟んだ中学生の女の子が立っていたのです。
そうです、ミライちゃんです!
そして、ミライちゃんは「私の顔で遊ぶのやめてよ。今までだって叩いたり泣かしたりして・・・」と。
もしやミライちゃんの反撃!!!と思われましたが、ミライちゃんはそれよりも気にしていることがありました。
それは「雛人形」。
ひな祭りを過ぎても飾っているとお嫁に行くのが遅れるという迷信を気にしていたのです(笑)。
ソコ!?
だから、渋るくんちゃんを巻き込んで雛人形片付け作戦に出ることにしました。
ゆっこも巻き込んで。
もちろんお父さんに見つからないように・・・。
お父さんに見つからないように雛人形を片付けるのは至難の技でした。
けれど、それを達成した3人?は満足そうです。
そして、ミライちゃんが言うのです、「何か一緒のことをすると仲間意識が出来て仲良くなることもあるんだって」と。
みらいちゃんは、自分のことを好きになってもらいたかったようですね。
くんちゃんはまだ拗ねているようですけど。
お母さんとくんちゃん
とある休日。
ゆっくりくんちゃんと過ごすと決めていたお母さんでしたが、おもちゃを片付けないくんちゃんにまた癇癪を起こしてしまいます。
それを後悔するお母さんですが、くんちゃんは腹の虫が収まずおもちゃ箱をぶちまけ、中庭へ出ると、そこはまた違った世界が広がっていました。
大自然の絶景にいたのは未来のミライちゃん。
お母さんに怒られた腹いせにミライちゃんを新幹線でまた叩こうとしていたのがバレていて、未来のミライちゃんは若干怒りモードです。
そして、お母さんを大事にしないことにも怒っているようでした。
そういうミライちゃんにくんちゃんは、お母さんが愛してくれないのはなんで?と問うのです。
くんちゃんはお母さんに愛されていないと思っていて、寂しかったのでした。
泣きながら駆け出したくんちゃんは、ミライちゃんとはぐれ、また別の世界へと行ってしまいました。
その世界は・・・
お母さんの小さい頃!
お母さんの小さい頃はおてんばだったようです。
そして、「ちらかっている方が面白い」と言って、家の中を散らかして行くのです。
くんちゃんはそれを見て心配になりましたが、そういうお母さんを真似て、2人でお母さんの家を散らかして回ります。
「アハハハハハハ」
2人は思う存分楽しみましたが・・・お母さんのお母さん(くんちゃんの祖母)が帰ってくると、お母さんのお母さんはお母さんをこっぴとく叱るのです。
「もうお菓子も二度と買ってあげないから!」
と。
まるで、お母さんがくんちゃんに言っているみたいですね。
くんちゃんのお母さんもそんな時代があったようです。
くんちゃんはお母さんがお母さんのお母さんに叱られている間に、こっちの世界に戻ってきていました。
そして、疲れて寝ているくんちゃんにほっぺにお母さんがキスをするのです。
「くんちゃんは私の宝」
って。
くんちゃんは愛されてないわけではないのですね。
お母さんも、いつも怒ってばっかりでこんなお母さんでいいのかなって悩んでいたようです。
そして、くんちゃんの幸せを願っていたのです。
青年
補助輪なしの自転車にのるために、お父さんと公園で練習しているくんちゃん。
何度練習してもうまく乗れません。
そんな最中、ミライちゃんが泣き出し、ミライちゃんの元へ言ってしまうお父さん。
残されたくんちゃんに話しかけてくれる同じくらいの子どもたちがいましたが、大きな公園で一人ぼっちと感じてしまったのか、くんちゃんは大泣きしてしまいます。
家に帰っても気持ちが収まらず、再び中庭に飛び出すと、そこには夏の世界が広がっていました。
飛行機の風圧に目を閉じてしまったくんちゃんが再び目を開けると、そこは薄暗い工場のような場所でした。
そしてそこにいたのは、長身に痩せた体の青年でした。
くんちゃんは迷いましたが、その青年の後をついていくことにしました。
青年がたどり着いた先は厩舎でした、
くんちゃんはそこで初めて馬をみたのです。
馬を見るのが初めてというと、その青年はくんちゃんを馬に乗せてくれました。
場上からの眺めは驚くほどの高さでくんちゃんは目がくらんで気を失いそうになります。
その怖さに青年にしがみつき、つい「おとうさんっ」って言葉が出てしまいました。
青年はそれを聞いて苦笑していましたが、くんちゃんは、不意に出てしまった言葉、そして以前聞いたフレーズをこの青年が喋っていたことから、もしかしてこの青年はお父さん!と思ったようです。
怖かった馬の上も段々なれてくると、その青年は、「ずっと先を見る。下は見ないで、何があっても遠くだけ見る」とアドバイスをしてくれました。
するとくんちゃんもどんどんと上達をし、速度をあげて馬に乗れるようになったのです。
そして気がつくとくんちゃんは、オートバイに乗って湾岸沿いの国道を走っていました。
富岡から金沢八景に続く未舗装の山道をくんちゃんを乗せたオートバイはぐんぐん進んでいきます。
トンネルと通り抜け、田浦へ抜けるとそこは横須賀本港、米軍艦が停泊していました。
そして青年は、「どんな乗り物だってコツは同じだに。ひとつ乗れたら何でも乗れるようになる。」って。
そんな青年をお父さんだと思っているくんちゃんは、憧れに似た気持ちを抱くのでした。
そして、次の日、再びくんちゃんは自転車乗りの練習にお父さんと向かうのです。
ベンチの脇で見守るお父さんの前で、くんちゃんはころんではまた自転車にまたがり、そしてまたころんで・・・・
何度も何度も繰り返し、そしてとうとう自転車に乗れるようになったのでした!!!
怖かったら遠くを見るというあの青年の言葉を思い出しながら。
くんちゃんはお父さんに応援してもらったから乗れたと。
お父さんはそんなくんちゃんの成長に興奮し、感動していたのでした。
けれど、後で分かったことですが、アルバムの中にいたあの青年は、実はくんちゃんの曾祖父でした。
お父さんじゃないと知ったくんちゃんは、なぁんだそうだったのかとそれを受け止め、曾祖父さんに「ありがとう」と言ったのでした。
なんだか、くんちゃん成長しましたね(笑)。
くんちゃんの家出
ちょっとは成長したように思えたくんちゃんですが、まだ相変わらずの駄々っ子でした。
みんなで出かける日に、今日はどうしても黄色いズボンが履きたいと駄々こねています。
そんなくんちゃんをよそに、着替えの終わったミライちゃんを抱っこして下に降りていったお母さん。
一人、くんちゃんだけが取り残されてしまいました。
「やっぱり、くんちゃんよりミライちゃんのこと大好きなの・・・?」
くんちゃんとしては複雑なようですね。
「もう出かけるよ」というお母さんの声にも、「行かない」「家出する」と拗ねてしまうくんちゃん。
どうにも収まらないくんちゃんは、お風呂に隠れては「くんちゃんいなくなったよ!」って。
次は寝室のクローゼットに隠れてまた「くんちゃんいなくなったよ!」って大きな声でわざわざお知らせ(笑)。
迎えに来てほしいんですよね。
そんなくんちゃんが可愛すぎます(笑)。
けれど、誰も迎えに来てはくれず、くんちゃんは哀しさがこみ上げてきて泣き出すと、段々腹が立ってきました。
そして「みんな好きくないのっ!」って。
本当に家出すると決意し、オレンジジュース、バナナなどをリュックに入れ、いざ中庭へ行くと・・・。
今度はくんちゃんは、無人駅のホームにいました。
するとそのホームの待合室にいた男子高校生から、くんちゃんの態度が良くないって責められるのです。
「ズボンと家族との思い出どっちが大事なんだよ」って(笑)。
くんちゃんは拗ねているので「ズボン」って言っちゃうんですが、それで日がついたのかお互いがなり合い始めていると、列車がやってきました。
行き先が分からない電車。
男子高校生は「のるな!」というのですが、反抗心がむき出しのくんちゃんは乗ってしまうのでした。
途中、不気味な?全車両黒で塗りつぶされた新幹線とすれ違い、くんちゃんが乗った電車は東京駅につきました。
そこはくんちゃんが知っている東京駅とは違い、ずっと大規模で、ずっと伝統的な駅でした。
まるでどこか異国の空港のよう。
東京駅についたはいいものの、くんちゃんはどうやって帰ったらいいのか分かりません。
お父さんやお母さんを探してももちろんいるはずもありません。
お父さんやお母さんは自分がいなくなって心配してくれているんだろうか。。。
くんちゃんは途方にくれてしまいました。
迷子になったくんちゃん
くんちゃんは、遺失物預かり所と掲げられた看板の前にいました。
不思議なことにそこに並んでいるのは子供ばかりでした。
くんちゃんの番がやってきました。
「どんな荷物を失くしましたか?」と聞く駅員に「迷子」と告げると、「失くしたものは自分自身、というわけですね」と言う駅員。
まさに(笑)。
だから、呼び出すためくんちゃんに駅員がいくつかの質問をするわけですが、くんちゃんは「お母さんの名前」も「お父さんの名前」も忘れてしまって答えられません。
他の家族(ゆっこ以外)の名前も。
すると駅員は言うのです。
それでは呼び出しができないから、行き場所の無い子供は特別な新幹線に乗って「ひとりぼっちの国」に行くしか無いと。
そのホームは地下のずっと奥の暗闇の世界にありました。
いつの間にかその場所にいたくんちゃん。
そしてそのホームに到着したのは黒い新幹線でした。
しかも、先頭車のライトは刃物のように切れ上がり、避けた口からは幾重にも重なって生えた歯が覗いていました。
まるで生き物のようです。
ひとりぼっちの国になんか行きたくない!そう思ったくんちゃんは乗車を拒否しようとしますが、見えない力によって車両に送り込まれてしまいました。
全力で走って外に出ようにも、再び見えない力で車内に引っ張り込まれるくんちゃん。
「いやだぁぁぁ」って頑張って走ってもま中に引き込まれてしまいます。
それでも頑張って入り口からなんとかにじり出ると、引っ張る力が消え、勢い余って社外に転がり出ることに成功しました。
すると、遺失物係の声がして、「自分を自分自身で証明する必要があります」と。
くんちゃんには難しい?!と思いましたが、くんちゃんはなんとなくその意味が分かっているようです。
だから、
「くんちゃんは・・・・お母さんのこども」
「くんちゃんは・・・・お父さんのこども」
「くんちゃんは・・・・ゆっこのおやつをあげる係」
自分の胸に問うように、そしてその人達を思いながら答えます。
「ミライちゃんは・・・ミライちゃんは・・・」
好きくない子。変な名前の子。笑わない子。
などなど、ミライちゃんを思い出し
「くんちゃんの・・・・くんちゃんの・・・」
と言いかけた時でした。
突然、赤ちゃんの声が聞こえ、そこにミライちゃんの姿があったのです。
そして、黒い新幹線のドアを見ていたかと思うと、そこに近づいていくのでした。
「そっちに言っちゃダメ!」
くんちゃんはホームを走り、それを止めようとします。
ころんで傷だらけになりながらも、懸命に走りました。
けれど、ミライちゃんは引き寄せられるように黒い新幹線に乗ってしまうのです。
が、その時!
くんちゃんは両手を伸ばして夢中でミライちゃんの小さな体を抱え、その勢いでホームに引き戻すことが出来たのです。
くんちゃんはホームに体を強く打ち付けて、傷だらけでしたが。
無事だった、安堵したくんちゃん。
そしてその時、お母さんがくんちゃんに頼んだことを思い出しました。
「何かあったら、守ってあげてね」
と。
くんちゃんはその意味がやっと分かった気がしました。
今まで感じたことのない気持ちがこみ上げてきて、
「くんちゃんは・・・・ミライちゃんのお兄ちゃん!」
と、くんちゃんは言ったのでした。
すると、遺失物係はくんちゃんのその言葉をちゃんと受け取ったかのように、メガネを動かすと、「イソイソ区からお越しのミライちゃん。ミライちゃん。地下新幹線ホームで、おにいさまのくんちゃんがお呼びです。」とアナウンスしたのです。
すると、「見つけたっ」と声がし、手が差し伸べられました。
その手の先には・・・「未来のミライちゃん」
セーラー服姿のミライちゃんが、空中に浮かんでいました。
ミライちゃんは家出し迷子になったくんちゃんを探しに来てくれていたのです。
そして、「いくよっ」というと、そのままぐんぐん上昇し、東京の空へと舞い上がっていきました。
すると、空が地面になり、草原に立つ一本の木へと落下していきます。
それは、くんちゃんの中庭にある樫の木でした。
その樫の木は、現在と未来と過去をつなぐ木でした。
葉っぱの片方の端にはタブのような出っ張りがあり、アドレスのような記号が刻まれ、どの時間なのかが分かるようになっています。
その中から、くんちゃんがいる時間を見つけ出す必要がありました。
たくさんある葉っぱから一つを選んだミライちゃんとくんちゃんはその葉っぱに飛び込みました。
すると、小さい頃のお父さんが一生懸命自転車にのる練習をしている光景に出くわしました。
そして、ゆっことゆっこのお母さんが別れを惜しんでいる状況に出くわしました。
この後、ゆっこはくんちゃんのお父さんとお母さんの元へとやってくるのです。
そして、一人の少女が泣きはらした目で空を見上げているところに出くわしました。
その少女はくんちゃんのお母さんでした。
少女の家の玄関にあったスバメの巣にいた雛が、野良猫にイタズラされて動かなくなってしまっていたのでした。
このときからお母さんは猫が苦手になってしまったのです。
そして、横須賀軍港へ移ると、そこにはあの青年の姿がありました。
敵に攻撃され、命からがら逃げようとしていたところでした。
さらには看護師として働く曾祖母の元へとやってきました。
あの青年と曾祖母が何か話をしているところでした。
するとかけっこが始まり、曾祖母が駆け出すと、途中で足をひきずる青年を待ち、青年の後でゴールしたのです。
この時のゴールがあの樫の木。
あの時、青年が命からがら逃げようとしなかったら、そして曾祖母がわざとゆっくり走らなかったら、くんちゃんもミライちゃんもこの世には生まれて来なかったのです。
ほんの些細なことが積み重なって、私達の「今」が作られているのです。
その後、あの男子高校生にも出会いました。
あれはくんちゃんだったのです。
そして、そこは未来のミライちゃんが生きている今。
くんちゃんは、ここから一人でくんちゃんの今へ帰って行きます。
浴室前の足拭きマットに着地したくんちゃん。
乾燥機の中から、乾燥終了した黄色いズボンが飛び出してきました。
あんなに履きたいとわめき、苛立っていた気持ちが遠い過去のようで、くんちゃんはそのまま紺のパンツを履くことにしたのです。
そして、懐かしいいつもの日々にやっと戻ってきたのでした。
お父さんとお母さんは一緒に帰省やキャンプのための準備をしながら、お互いが素敵な笑顔です。
ゆっこは助手席でその様子を見ながら、寝そべっていました。
そしてミライちゃんがハイハイしながらくんちゃんに近づいてきました。
くんちゃんは、リュックの中からバナナを取り出し、ミライちゃんに皮を向いて渡してあげました。
ミライちゃんはバナナが大好きだったのです。
そして、お父さんとお母さんの呼ぶ声が聞こえると、くんちゃんよりも前に返事をしたミライちゃん。
そしてくんちゃんとミライちゃんは見つめ合い、ミライちゃんはくんちゃんにいっぱいの笑顔を見せたのです。
その笑顔を見て、くんちゃんは胸の中にこわばっていた色々なものがす~と溶けていくような気がしました。
そしてくんちゃんもミライちゃんに笑顔。
またミライちゃんも笑顔。
くんちゃんもそれを見て満足したような清々しい気持ちになり、お父さんとお母さんに元気よく笑顔で返事をしたのでした。
これが原作ネタバレです。
未来からやってきたミライちゃんは、くんちゃんに自分のことを好きになってもらいたかったのと、人と人のつながり、絆を感じてもらいたかったんですね。
まとめ
妹ミライはなぜ未来からやってきたのか、原作ネタバレしました。
あらすじだけ見ても本当に面白そうなので、映画が始まるのが楽しみです。
事実が分かったらまた追記していきますね!